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近大想感
本学初 ジョイントベンチャー会社
「ジーンコントロール株式会社」設立
「日本農産工業」と遺伝子改変マウス開発
本学は、飼料大手でバイオ部門を持つ日本農産工業株式会社(横浜市、東証・大証一部上場)とジョイントベンチャー会社「ジーンコントロール株式会社」を11月に立ち上げると10月18日、大学本部で発表した=写真。
会見冒頭あいさつする世耕弘昭理事長
(大学本部本館)
同社は文部科学省の21世紀COEプログラムに選ばれた先端技術総合研究所の入谷明所長(理事・生物理工学部教授)らを中心とする研究グループと日本農産工業とが共同で、再生医療や遺伝子治療、新薬開発に欠かせない特定の遺伝子操作を施した「マウス」の開発・生産・販売などを行う。本学が企業と共同でベンチャー会社を設立するのは今回が初めて。
夢のオーダーメード治療である遺伝子治療の実現や新薬開発には、研究のため特定の遺伝子を持った実験動物の存在が欠かせない。例えば糖尿病など病気の原因遺伝子を人工的に破壊した「ノックアウトマウス」や逆に原因遺伝子を導入した「トランスジェニックマウス」などが必要になる。それらのマウスを先端技術研究所の研究グループが開発し、営業・販売などを日本農産工業が行う。
将来的にはクローン技術で特定の遺伝子を持った同じ種類の研究開発用マウスを大量に、早く作る計画も試みる。この他、遺伝子組み換えが行われたマウスが正確に変換されているかを解析することにも取り組む。
海南インテリジェントパーク内の先端技術総合研究所
(和歌山県海南市)
ジーンコントロール社は和歌山県海南市の海南インテリジェントパークの本学先端技術研究所敷地内に、細胞培養室、胚操作室などを設けた2階建ての社屋を建設する。資本金は3,000万円で、出資比率は本学が51%、日本農産工業が49%。代表取締役の入谷明所長を含む4人が本学側から、日本農産工業からも4人が取締役を務める。来年度の売上高として約5,000万円、将来的には数億円の売上規模を目指している。
生物の設計図と呼ばれる遺伝子の研究は、人間の遺伝情報であるヒトゲノムの解析がすべて終わり、次の段階は「遺伝子の機能の解析」だと言われている。ヒト遺伝子の機能を知るためには特定の遺伝子を人為的にノックアウト(破壊)した遺伝子改変マウスをモデル動物として活用することが現在基礎的な研究分野には不可欠となっている。
遺伝子工学は未来を開く技術
入谷明所長らの研究グループは今年はじめ、世界で初めて植物の遺伝子を動物に組み込むことに成功するなど、遺伝子工学分野で世界をリードする研究成果を次々と発表。ホウレンソウの遺伝子FAD2をブタに組み込み、植物の遺伝子を持った動物が世界で始めて誕生した。このブタは人間に必要なリノール酸を多く含んだヘルシーな肉質を持つもので、日本国内に止まらずアメリカ、ドイツなどで注目された。特に豚肉の需要が高いドイツではテレビの特集番組で紹介されるほどだった。
また、数万年前に絶滅したと言われるマンモスを復活させるというプロジェクトにも入谷明教授らは取り組んでいる。シベリアの凍土に眠るマンモスを掘り出し、その体細胞を使ってクローンマンモスを作ろうというもの。ロシアのサハ共和国では計画実現に備えて、マンモスパーク用の敷地も用意されている。
個人の遺伝情報に応じた夢のオーダー医療である遺伝子治療や絶滅が危惧される種の保存など、遺伝子工学、クローン技術を使った技術は21世紀の人類社会にとってインパクトの大きなものとして注目されている。
(近畿大学大学新聞 第437号 2面 平成14年11月1日発行)
(
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平成14年11月1日)
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