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講演会
ウェルスセミナー 若者の心と体のアンバランス 
田嶋陽子氏が熱弁ふるう

 学生健保共済会東大阪支部主催の第13回ウエルネスセミナー「若者の心と体のアンバランス」が11月ホール・大ホールで開かれた。講師はテレビでもお馴染みの田嶋陽子氏。会場は2階席まで埋まり、さらに立ち見が出るほどの盛況ぶり。1,400人が聴いた。

田嶋陽子氏 写真
学生を圧倒した田嶋氏

 田嶋氏は「若者だけでなく最近は大人もアンバランスで、おかしい」。その要因は、人は何のためかわからないのに、意識して男らしく、女らしく生きていることにあると切り出した。

 女らしさとは、男が女を支配下に置けるよう都合よく作られた女性像であると、フェミニストの立場から指摘。独自の女性論を毒舌を交えながら約1時間にわたり話し続けた。
 
 「女性差別ばかり連呼していないで、もっと大きな差別について語れ」と私にいう人がいるが、人種差別の中にも女性差別が存在する。差別の原点は女性に対する差別で、政治の原点は、男性による女性統治。箸、茶碗、傘、どれを見ても女性ものの方が小さい。気づかないうちに「差別」が「文化」になり、女性は不利益を得ている。
 
 女性は身ごもっている間、体を動かせないから、木の実拾いや機織りをして生計を助けてきた。男たちはその間も働き、金儲けをし、自分の分身を作ることで力を誇示してきた。男は外で働き、財産を築き、女に金儲けをさせなかった。

 今や屈指の経済大国になった日本の社会には未だ「夫を主人と呼ぶ」封建社会が残っている。女は犬の「ポチ」みたいなもの。あるいは、性的対象のもの、分身(子供)を作るものでしか見られていない。男は女を美化しようとし、女もうまい具合に乗せられている。女性ファッション誌の特集を見れば良く分かる。
 
 生まれた時から男、女として育てられ、幼少時にはすでに各々が自覚している。らしく生きさせられること、生きさせようとすることで、個人が本当に何をやりたいのかが分からなくなってきているのが現代。今の母親たちにも要因がある。
 
 21世紀は個の時代が進み、従来のような家族という概念もなくなる。個性を取り戻し、生きる力を取り戻さねばならない。人間は誤りに気づくことが大切。また、そこから立ち上がり、克服する力を必ず持っている。「自分との競争だ」と締めくくった。
 
 講演中は田嶋氏の迫力におされ、会場は水を打ったように静まり返り、耳を傾けていた。時折出る笑いもどこか緊張感が感じられた。学生は田嶋氏の意見をどう受けとめたか。

(近畿大学大学新聞 第410号 4面 平成12年1月1日発行)

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