近畿大学大学新聞WEB版 発行:近畿大学総務部広報課 メールアドレスへ
≪第410号トップへ
学術・研究
WHO国際会議会長 医学部 青木矩彦 教授 
糖尿病予防対策に提言
国際会議 写真

  医学部の青木矩彦教授が会長を務めるWHO(国際保健機関) First International Conference on the Western Pacific Diabetes Infomation Network(西太平洋地区糖尿病情報ネットワーク第1回国際会議)が11月18日、京都市のリーガロイヤルホテル京都で開かれた。


 糖尿病の予防と医療活動をサポートするための情報ネットワークを構築しようとするこの会議は今回が第1回目。日本をはじめ、韓国、中国、香港、シンガポール、フィリピン、マレーシア、アメリカ、およびジュネーブのWHO本部から医師、研究者、技術者約100人が出席した。
 
 糖尿病患者は世界的に増加しており、特に近年、アジア地域で急増している。またその合併症に苦しむ人々も多い。糖尿病と闘うためには効率的な戦略と国民に十分な知識を広めることが必要である。

 基調講演をした米・ピッツバーグ大学のラポルテ教授は「糖尿病の予防と治療は世界中での情報交換が必要。そのためにはインターネットがカギになる」と述べた。昔に比べ、平均寿命が大幅に伸びたのは、様々な病気に対して知識を共有し、予防ができたから。「インターネットを使って分かったことは、情報のネットワークだけでなく、人と人とのネットワークも作られること」だと説明した。

 また、現在推進中のインターネットを使って世界中の学生が講義を受ける「スーパーコース」構想も発表された。これも、良質な講義を世界中に広めようとするもので、現在30の講座が開講されている。

 青木教授の講演でも、21世紀に向けて糖尿病予防の戦略として、インターネットの利用がまずあげられた。また、薬剤の選択肢が増えているので合併症は次第にコントロールできるようになってくるが、コスト面での克服が課題となる。しかし、「最も重要なことはそれぞれの国の文化の違いを理解すること。インターネット等の発達する技術の中でもそれぞれの国の宗教、文化を損なわないようにしなければならない」と強調した。

 このほかにも各国の多くの研究者の発表があり、糖尿病患者のためのホームページを紹介したり、「たまごっち」にヒントを得た、ゲームをしながら糖尿病の管理を学ぶバーチャルペイシェント(仮想患者)という新しいパラダイムの報告など多岐にわたった。

 青木教授は「インターネットは急速に全世界に広がっている。ネットワークの構築は大切だが、新しい技術にはいくつかの欠点もある。人と人との関係を重要視し、西太平洋地域のすべての人々に平等に糖尿病に関する情報や知識を広めたい。この第1回目の会議はネットワーク作りの第1歩である」と話している。

(近畿大学大学新聞 第410号 1面 平成12年1月1日発行)

≪第410号トップへ
Copyright (C) 近畿大学総務部広報課 All Rights Reserved.